珈琲が飲みたい(1) ドリッパー あばらで選ぶべし、肋骨は空気の通り道
みなさんは肋骨を折ったことがあるでしょうか。あばらを折っても医者は何もしてくれません。レントゲンを見てたった一言「はい、第○番ですね。」
と、殊更何もなかったかのように何番が折れているかを告げられ、胸に巻くマッジックテープのサポーターを渡されて終わりです。
通院?必要ないそうです。
「接ながったかどうか心配ならまたレントゲン取ってもいいけど」
…だそうです。痛み止めは?
「咳したり大きく息したら痛むよ」
…とのことです。
実は珈琲にも重要な肋骨があります。
コーヒードリッパーの内側に溝が切られています。この溝、凸凹をリブといいます。リブ、スペアリブのリブ、そう肋骨のことです。中心に背骨があり左右対称に平行に並ぶ様が肋骨っぽく、言い得て妙です。
この溝をコーヒーが流れて穴から落ちるんだ、みなさん漠然とそう考えていらっしゃいませんか、でもこれは誤り。実はこの溝、空気の通り道です。
そんなこと当たり前だというあなた、なかなかのコーヒー好きとお見受けいたしました。
コーヒー豆粉に湯を差した瞬間から、コーヒー粉内部の空気は水分によって蓋をされ、しかも上から下へと水分が降りてくることによって行き場を失います。この空気がペーパーを透してドリッパーとの隙間から上に逃げることが出来るように切られた溝がリブなのです。
ではリブがなければ、どうなるのでしょうか?
ペーパーとドリッパーがピタッとひっつき、行き場のない空気は上部のコーヒー豆の層を通って逃げ出すしかありません。その結果コーヒー粉の上にボコッと別府の地獄のように、風呂の屁のように(失礼!)吹き出してしまいます。
それの何処がいけないのでしょうか。
コーヒーをペーパーで淹れるという行為は一種の濾過です。出来るだけコーヒー粉の目を揃え、整然と並んだ層の中を静かに湯が通ることにより、コーヒーの味や薫りを湯が抱えて下に落ちるという仕組みなのです。
濾過層を濾過中に掻き混ぜてしまっては、きれいに濾過できるわけがありません。ですから、この溝の働きは大きいのです。
でも本当にそんなに差が出るものなのでしょうか。
当然私も十数年前、疑問に思いました。そこでアルミホイルでリブをつぶしてコーヒーを淹れてみました。逃げ場を失った空気がボコボコと吹き出し、抽出されたコーヒーも若干濁りを帯びたのでした。ウン、納得。
次にドリッパーを購入される時は、肋骨のしっかりしたもの、溝の深いリブのくっきりしたものを選んで下さい。
「うちのドリッパー、コーヒー淹てる時にボコボコ空気が出てくるぞ、買い替えじゃ〜」
…お待ち下さい。湯温が高い、注湯が速すぎる、コーヒー粉が細かすぎるなど他の原因も考えられます。
またの機会に。
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