珈琲が飲みたい(7) ペーパーフィルター 互い違いのすれ違いこそ安定の秘訣 その�
�同じ方向に折ってはダメなの?縦の折代と底の折代を同じ方向に折らない理由は二つあります。
まずは、重心の問題です。同じ方向にペーパーを折ると重心が片側に寄る事になります。それではドリッパーにセットした時に最初から左右のリブの片側に傾いた、寄り掛かった状態となります。前述のようにリブは空気の逃げ道です。左右両方のリブに均等に空気の逃げ道があることがスムーズな濾過へと繋がります。
次に張力の問題です。ペーパーを折ることによって折った外側(谷側、山側の方が分かりやすいでしょうか…)の紙は引っ張られることになります。互い違いに折れば、異なる面が引っ張られるので問題はないのですが、同じ方向に折れば片方の面が強く張力を受け、反対の面は力を受けず緩んだ状態となります。
「掛かる張力が違えば紙の繊維の隙間の大きさに差が出て、通る水の量が違う」という説を唱える方もいらっしゃいますが、私にはその差は確認できません。
それより次に述べる“底をつぶしてペーパーの口を開けた時に、形に差が出ること”の方が問題だと思います。同じ方向に折ったペーパーはパックリときれいに口を開けた円錐台状になってくれません。
ドリッパーの中でのペーパーフィルターの安定を考えるならばきれいな円錐台の形に無理なく折りたいものです。
�最後に底の両端をつぶすのは知らなかった。
互い違いに折ったペーパーの底をキュッとつまむことによって、写真(中)の様にペーパーは口を開け、きれいな円錐台状になります。開口部が歪みのない楕円になり、伏せて置いた時に接地面に隙間がない状態が理想です。
ペーパーの折代を折っただけでは口は開きません。ですからこの“つぶし”は必ず必要です。
�縦を先に折っても底を先に折っても一緒じゃないの?
もうお分かり頂けるものと思います。底の折代を後で折った方が、�の“つぶし”が左右同じ形になります。そしてきれいな底の面を作ることによってドリッパーにセットした時に、穴との間に空間を作ることが出来ます。
写真(下)をご覧下さい。ドリッパーの穴とペーパーの間に空間があるのが分かるかと思います。
余談ですが…嘗て店では、ぺーぺーを開店前に写真(中)のような伏せた状態で積み重ねて準備しておりました。休日などは200杯もコーヒーをお出しするので、予め準備しておくのです。
ベテランスタッフの折るペーパーは100枚以上高く積み重ねることが出来ましたが、アルバイトの折るペーパーは30枚くらい積むと倒れてしまいます。たかがペーパーフィルターですが、きれいに同じ形に何枚も折ることは結構難しいものです。
いかがでしょうか、ペーパーを折る手順には一つ一つ理由があることが、お分かり頂けたでしょうか。
側面はドリッパーの形にフィット、底には少しの隙間、こんな風にきれいにペーパーが折れたら、また少しコーヒーが旨くなったような気がします。
ペーパーフィルターは、ドリッパーにセットする時に図のように折代で、互い違いに折って使用します。